音楽のDolby Atmosとは?
Dolby Atmosとは、音を左右のスピーカーに固定して割り振るのではなく、オブジェクトとして空間の中に自由に配置する3Dオーディオフォーマットです。リスナーの頭上や背後にも音を置けます。ヘッドホンではバイノーラルに変換され、対応するスピーカー環境では実際に立体的に再生されます。Apple Musicではこの再生機能をSpatial Audio(空間オーディオ)と呼んでいます。リリースするには、通常のステレオマスターとは別に、専用のAtmosミックスが必要です。
Dolby Atmosと空間オーディオの違いは?
Dolby Atmosは、ミックスを制作し納品するためのフォーマットです。Spatial Audio(空間オーディオ)は、Apple Music、AirPods、その他のデバイスでの立体的な再生を指すAppleの呼び名です。Apple Musicで曲に「Dolby Atmos」と表示されていれば、それは専用に制作されたAtmosミックスを聴いているということで、ステレオマスターを自動変換したものではありません。
Atmosの技術的な仕組み
Atmosミックスは、ベッドと呼ばれる従来型のマルチチャンネルの土台と、位置情報を持って空間に配置されるオブジェクトで構成されています。このフォーマットでは、ベッドとオブジェクトを合わせて最大128のトラックを同時に扱えます。これらの情報を手元のスピーカーやヘッドホンにどう割り振るかは、再生機器のレンダラーが聴く瞬間に計算します。そのため、同じミックスが車でもホームシアターでもヘッドホンでも環境に合わせて鳴り、再生環境ごとに別のファイルを用意する必要がありません。
Atmosリリースに必要なファイルは?
ストリーミングサービスは、AtmosミックスをADM BWFで納品するよう求めています。これはAtmosのメタデータが埋め込まれたBroadcast Wave形式のWAVファイルで、Dolbyのレンダラーや主要なDAWから書き出せます。ステレオマスターでは代わりにならず、手を加えない単純なアップミックスではフォーマットの良さを活かせないことがほとんどです。大事な点として、Atmosミックスはステレオマスターを置き換えるものではありません。追加で納品され、ストアはデバイスに応じて適切なほうを再生します。
Dolby Atmosに対応しているプラットフォームは?
Dolby Atmosの音楽は、Apple Music、Amazon Music、TIDALなどで配信されています。それ以外のストアには、引き続きステレオマスターが届けられます。OGRECORDS™では、リリースにステレオマスターとは別にAtmosミックスをADM BWFでアップロードでき、Apple Music、Amazon Music、TIDALに納品されます。Atmos版には独自のISRCを付けることもでき、そのための専用フィールドがリリース内に用意されています。
インディーアーティストにAtmosミックスは必要?
良いAtmosミックスは手間のかかる作業です。適切なモニター環境か、バイノーラルでのモニタリング経験が必要で、そのぶん時間や予算がかかります。特に向いているのは、空間の広がりが活きる音楽、たとえばエレクトロニック、映画音楽、作り込まれたアレンジのポップスです。また、リスナーがApple MusicやTIDALをよく使っているアーティストにもおすすめです。土台になるのは、あくまできれいなステレオマスターです。コツはミックスとマスタリングの違いで紹介しています。
はじめてのAtmosリリースのチェックリスト
最初からAtmosミックスを計画に入れ、セッションからステムや個別トラックを書き出しておきましょう。ミックスはバイノーラルレンダリングのヘッドホンで確認し、可能であればスピーカー環境でもチェックします。尺とアレンジがステレオマスターと一致しているか確認してください。ストアは、両方が同じ録音を表していることを前提としています。完成したファイルをADM BWFで書き出し、リリースを送信する前に一緒にアップロードしましょう。
よくある質問
Dolby Atmosには専用のヘッドホンが必要ですか?
いいえ。ヘッドホンではAtmosがバイノーラルにレンダリングされるので、基本的にどのヘッドホンでも楽しめます。対応デバイスやアプリでは、ヘッドトラッキングなどの追加機能も使えます。
ステレオマスターをそのままAtmosに変換できますか?
技術的にはアップミックスツールがありますが、説得力のあるAtmosミックスは完成したステレオマスターからではなく、個別のトラックやステムから作られます。
Atmosミックスはステレオマスターの代わりになりますか?
いいえ。両方を納品します。Atmos非対応のプラットフォームやデバイスでは、引き続きステレオマスターが再生されます。
ADM BWFとは何ですか?
ADM BWFは、Audio Definition Modelのメタデータが埋め込まれたBroadcast Waveファイルです。オーディオトラックと、すべてのAtmosオブジェクトの位置情報が含まれており、Atmos音楽の標準的な納品フォーマットです。
Atmosで再生されると収益は増えますか?
Atmosでの再生も、通常はその曲のほかの再生と同じように精算されます。メリットはむしろ露出にあります。Apple MusicはAtmos対応曲を専用のコーナーやプレイリストで取り上げています。
次のリリースを、正しく届けよう。
ISRC、UPC、クレジット、メタデータはリリースウィザードにおまかせ。Spotify、Apple Music、TikTokをはじめ、すべてのストアに届けます。