著作権管理団体とは?
著作権管理団体とは、音楽をつくる人に代わって権利を管理し、利用に対して支払われる使用料を集める団体です。集める先はラジオ局、ストリーミングサービス、クラブ、コンサート主催者などさまざまです。日本では、作詞家・作曲家・音楽出版社の権利をJASRACやNexToneが管理し、実演家の権利は芸団協(CPRA)、レコード製作者の権利は日本レコード協会(RIAJ)が扱います。ドイツならGEMAとGVL、海外ではこうした団体をPRO(Performing Rights Organization)と呼びます。いずれも、音楽配信サービス経由では入ってこない収益をカバーする存在です。
JASRACは何をしている?なぜ必要なの?
JASRACやNexToneは、音楽の著作者、つまり作曲家、作詞家、音楽出版社を代表しています。作品が演奏されたり、放送・配信・複製されたりすると、利用者は使用料を支払います。ただし支払い先はあなた本人ではなく管理団体です。管理団体は利用実績を届け出済みの作品と照合し、権利者に分配します。管理を委託して作品を届け出ていなければ、団体はその利用をあなたに結びつけられません。あなたの作品に対するお金はほかの人に流れるか、宙に浮いたままになります。自分で曲を書き、その曲が継続的に使われているなら、管理委託を一度しっかり検討しておきましょう。
JASRAC、CPRA、PRO——誰が何を集めているの?
どの楽曲にも2つの権利の層があります。作品(コンポジション)と録音物(原盤)です。作品の権利を扱うのは著作権管理団体で、日本ならJASRACやNexTone、ドイツならGEMA、オーストリアはAKM、スイスはSUISA、フランスはSACEM、イギリスはPRS for Music、アメリカはASCAPとBMI、ストリーミングの機械的録音権はThe MLCが担当します。録音物については、隣接権を扱う団体があります。日本では芸団協(CPRA)やRIAJ、ドイツではGVLが、ラジオでの放送や公の場での再生などに対して実演家やレーベルに報酬を支払います。3つ目の収入源である、ストリーミングやダウンロードによる原盤ロイヤリティは、あなたの音楽配信サービスが精算します。
配信サービスが著作権管理団体の代わりにならない理由
ディストリビューターはあなたの録音物をSpotifyやApple Musicなどに届け、原盤側の収益を支払います。一方で作品側、つまり機械的録音権の使用料や演奏権の使用料は、プラットフォームがライセンス契約を通じて著作権管理団体に支払います。この2つは並行して動いていて、どちらか一方を選ぶものではありません。多くのインディーアーティストは、1回の再生から2回収益を得ています。配信サービス経由と、著作権管理団体経由です。片方しか登録していなければ、もう片方の収益を取りこぼすことになります。
作品を正しく届け出るには
いちばん大事なのは作品の届出です。タイトル、すべての著作者とその持分、音楽出版社がいればその情報を登録します。持分は、原盤側で合意したロイヤリティ・スプリットと矛盾しないようにしてください。食い違いがあると、分配の段階で問題になります。届け出た作品にはISWCが付与され、世界中でその作品として識別されるようになります。録音物の再生を作品に正しく結びつけるためには、原盤側のメタデータも重要です。タイトルを一致させ、リリースにソングライターのクレジットをもれなく入れておきましょう。
よくある質問
Spotifyで音楽を配信するには、JASRACへの登録が必要ですか?
いいえ。配信するだけなら音楽配信サービスがあれば十分です。著作権管理団体への委託は任意で、作品の使用料に関わるものです。ただし委託していないと、曲が使われたときに著作者として得られる収益は少なくなります。
JASRACと芸団協(CPRA)の違いは何ですか?
JASRACは著作者と音楽出版社、つまり作品の権利を扱います。芸団協(CPRA)は実演家、つまり演奏・歌唱の権利を扱い、レコード製作者の権利はRIAJが扱います。ドイツで言えばGEMAとGVLの関係です。曲を書いて自分で録音・リリースしている人は、両方の側で権利を持っている可能性があります。
PROとは何ですか?
PROはPerforming Rights Organizationの略で、作品の演奏権や放送権を管理する団体を指す国際的な呼び方です。アメリカのASCAPやBMI、イギリスのPRSなどが代表例です。日本ではJASRACやNexToneがこの役割を担っています。
海外で使われた分の使用料も受け取れますか?
はい。管理団体は海外の団体と相互管理契約を結んでおり、それを通じて海外の使用料も分配されます。ただし、作品がきちんと届け出られていることが前提です。海外での追跡は音楽出版社が積極的に担うことも多いです。
AIで生成した曲でも使用料を受け取れますか?
著作権管理団体が対象とするのは人間による創作です。AIが関わった作品をどこまで届け出られるかは、各団体が独自に定めています。届け出る前に、最新の規定を確認してください。